はじめにぜひお読みください。

ここでは私のプロフィールの詳細にかえて、当HPをご覧いただくにあたり、私の受験に対する考え方と、私が当HPを通じて何をしたいのかについてお話いたします。ですので、初めての方にはぜひお読みいただきたいですし、お読みいただければ、私がどんな人なのか、おおよその見当がつくのではないかと思います。

私が日々、受験指導をする上で常に意識していることは、「受験勉強を通じて得たことは、将来必ず何らかの役に立つ」ということです。

正直なところ、受験勉強で得た知識自体は、あまり役に立たないかもしれません。古文はその最たる例で、別に源氏物語が原文で読めなくても困りませんし、内容を知りたければ、現代語訳や漫画などで十分です。古典文法は、現代では日常的には使いません。使うのはせいぜい古文の教員や講師ぐらいでしょう。

英語にしても、英会話やリスニングならともかく、入試で出題されるような文法や読解は、ほとんど使うことはないでしょう。たとえ仕事で英文を読む機会があっても、だいたいの意味がわかれば細かい文法がわからなくても大丈夫です。少なくとも下線部訳のような、直訳を正確に書くことが求められることはまずありません。たとえ翻訳家を目指すにしても、求められる技術は、下線部訳とは似て非なるものです。

日本史や世界史も、知っているに越したことはありませんが、知らずに困る事態になるのはまれです。理系の方にとっては、職種によっては物理や化学、生物の知識の一部が問われることはあっても、数学はそこまでではないと思います。

でも、ここで言う「役に立つ」というのは、そういう意味ではなく、別に知識の内容はどうでもいいのです。大事なのは過程です。つまり「多感な時期の貴重な1年もしくは2年を、他のやりたいことを犠牲にしてまで受験勉強に費やした経験を通じて得るものは大きい」ということです。これは部活にも言えることです。例えば、野球部員が野球を通じて得た投球術や打撃論自体は、今後の日常では役に立たないかもしれません。でも、野球部に所属し、毎日厳しい練習に耐え、甲子園を目指してがんばった経験を通じて得るものは大きく、今後の人生に役に立つのと同じです。

ところが残念なことに、受験生の中には、まだ基礎が固まらないうちから、第一志望を意識したハイレベルの問題集や赤本で勉強したり、奇をてらった勉強法や裏技などを駆使しようとしたりする人が少なからずいます。しかも、悲しいことに進学校の教員や同業の予備校関係者、さらには東大や医学部に合格し、「受験の勝者」になった人たちまでが、自らの成功体験をもとに、「要は合格さえすればよい」と言わんばかりのやり方を奨励する場合すらあるのです。

受験は結果がすべてである以上、真面目にコツコツやったのに落ちるくらいなら、奇をてらってでも合格への最短距離を目指した方がいいかもしれません。私にも、担当したすべての生徒に対して、何でもいいからとにかく合格してほしい気持ちがあるのは事実です。でも、私がこうした考え方とは一線を画す理由は、まさに今まで話した内容にあります。つまり、「受験勉強をどうがんばったか」という過程の方が重要だと思うからなのです。実際、こうした勉強のやり方を、スポーツや仕事上のことに置き換えたとしたら、まさにありえない手段であり、たとえこうした過程を経て合格できたとしても、この経験がとても今後の人生の役に立つとはは思えません。

合格はあくまでゴールではなく、今後の人生のスタートラインです。受験勉強をどうがんばったかによって、今後の人生を左右するような、かけがえのない収穫を得られるかどうかが決まるのです。これは受験に限らず、今後どこに行っても通用する考え方だけに、そうした収穫が得られたかどうかで、今後の人生がハッピーになるかどうかも決まると言えるのです。

確かに、「予備校の授業など取らず、ひたすら赤本を研究せよ」と、自らの成功体験をもとに訴える人がいるのも事実です。ただそれは、東大合格以前に、日本でもトップクラスの進学校に所属するなど、元々基礎ができていた人の話です。また、独学で効率的に勉強し、偏差値40から東大合格を果たし、その過程を本に出している人もいますが、それは例外中の例外だから珍しがられ、注目されて本も売れるのです。それが当たり前なら、そんな本は出ませんし、出ても売れません。そして、この世から予備校は消えます。でも実際には、消えるどころか増えているということは、独学は誰でもできるわけではないのです。ということは、基礎からじっくり固める必要がある人ほど、プロの指導を受けた方が結局は近道なのです。途中から自分でやろうというのは、今までやってきた勉強が中途半端だったため、間際の時期になっても結果が出ずにあせっている証拠です。

これは、独学にこだわって結局浪人し、それをきっかけに今までの自分のやり方を捨て、プロの教えを受けたおかげで何とか合格できた私の実感です。そして、これは受験に限らず、今後あらゆることに通用します。時には意地とプライドを捨て、その道のプロに教わる謙虚さと素直さがあれば、独学の何分の1かの努力でものにできるかもしれないのです。このことが、いろいろな意味で自分の世界が広がることにもつながりますので、断然お得なのです。

少なくとも私は、受験生時代の経験を通して、たとえつらくて大変なことがあっても、「受験勉強していた時に比べれば、このくらいは大したことではない」と思えたことで、困難を乗り越える活力が生まれました。また、何かを成し遂げるには、独学では限界があるため、先輩や上司、あるいはその道のプロに教えを請い、その上で、それらを自分のものにするべく努力する方が早くて効果的だということを学び、それを実践しました。さらに、受験勉強を通じて得た知識を知識として持っているだけで、人間としての幅が広がり、将来の可能性も増えることを実感することができました。

そもそも、受験生が目指す大学とは、本来そのようなことを学ぶ場です。役に立たないと思う知識でも、どこでどんな役に立つかわかりません。何より「勉強したけど、あまり役に立たなかった。意味がなかった。」という結論が出れば、その結論を出す役には立っているのです。逆説的な言い方かもしれませんが、役に立つかどうかは、勉強してみないとわかりません。そして、そうした非実学的な内容は、受験勉強のような機会でもないとなかなか勉強できません。また、たとえ直接役には立たなくても、こうした知識の積み重ねが、創造性を育むきっかけとなり、それが新たなアイデアを生み、人間としての幅を広げ、器を大きくするのです。そして私は、一人でも多くの受験生に、将来そんな人物になってほしいのです。

当HPでご紹介する内容は、ある意味当たり前のことかもしれません。でも、当たり前のことを理屈で理解し、理屈抜きで実践し、それを合格するまで継続することはとても難しいことなのです。ですので、その難しいことを手助けし、当たり前のことを当たり前にこなせるきっかけになるような情報を提供するHPにしたいと思っています。そんな私の考え方にご賛同いただけるようでしたら、ぜひ定期的にご覧いただければ幸いです。

もちろん1人でも多くの方に第一志望校に合格してほしいと願っています。でも、たとえどのような結果になっても、これからの努力は、自分自身の血となり肉となるはずです。ですので、まだ本格的には勉強を始めていないのであれば、どうか今日からでもスタートさせ、全ての入試結果が出るまでは合格のことだけを考え、模試の結果に一喜一憂することなく、全力で勉強してください。そのことで、第一志望校合格が結果としてついてくると私は信じています。

やすのプロフィール

静岡県生まれ。某国立大学教育学部卒業。体育が苦手な分、勉強でがんばった小・中学時代から一転、高校時代に勉強で挫折。大学受験にも失敗し、浪人を余儀なくされたことで、今までいかに効率が悪く、かつネガティブな勉強をしてきたかを思い知る。それでも予備校での浪人生活を通じ、人生観が変わる経験をしたことで、従来の教員志望から民間の教育機関に身を置くことを決める。卒業後は学習塾や、その他直接・間接的に教育関連を扱う企業での勤務を経て、現在大学受験の予備校にて校舎運営や進路指導に携わる。今までの挫折とそこから立ち直った経験、自らの非効率な勉強への苦悩と理想の勉強法確立への努力との経験とをそれぞれ生かし、日々生徒や保護者の方と向き合う日々を送る。

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