入試直前! べからず集

いよいよ私大の一般入試まであと1ヶ月ほどとなり、センター試験に至っては、残り1ヶ月を切っています。ここまできたら、あとは冬期講習を受けつつ、出来る限り赤本を繰り返し、万全ではない内容については、必要に応じて問題集を繰り返すだけです。悔いの残らないよう、ギリギリまで取り組んでいただきたいと思います。ただ、「入試直前だからこそ気を付けてほしい」ということもいくつかありますので、それらを10か条の「べからず集」としてまとめました。もっとも、これらの中には、既にいろいろな機会でお話をしてきた内容も一部含まれています。ただ、当校でも、何度言ってもついついやってしまう生徒が毎年のようにいますし、何度言っても言いすぎではないくらい大事なことですので、改めて取り上げることにしました。いわば「総集編」のつもりで、チェックリスト代わりに活用していただけると幸いです。

1.最後に受けた模試の結果表に過剰に反応をするべからず

冬休み中には、センタープレなど、11月末や今月上旬に受けた、言わば「最後の模試」の結果が返ってくることと思います。この結果が、有終の美を飾るのにふさわしいものであれば言うことはありません。「これで受かったも同然」とばかりに、浮かれないよう気をつけつつ、この勢いで入試を乗り切ってほしいと思います。問題は、この結果が思わしくなかった場合です。さすがにこの時期に点数が取れていなかったり、志望校判定にEが多かったりすると、簡単には立ち直れないくらいショックを受けるかもしれません。ましてやミスによる失点が多ければ、「本番で同様のミスをするのでは?」と心配してしまうでしょう。でも、それでも過剰に反応しないでください。おそらくこれから入試本番までは、今まで生きてきた中で一番勉強する時期になると思います。ですので、可能性がないわけではありません。どんな間違いやミスを犯したとしても、本番で犯すよりははるかにましです。この時期に間違えたりミスをしたりしたからこそ、本番までに本気で何とかしようと必死になるはずです。「全ての間違いやミスは、本番前日までならOKで、それまでに体験できた分、当日に犯すリスクは減るはずだ」と思って前向きに取り組んでください。

2.赤本の正答率に一喜一憂するべからず

上位志望校の赤本を何回か解いた結果、ある程度高い正答率を維持できたとすれば、誰でもうれしくなるでしょう。それはよくわかりますが、いくら練習時にそこまでできても、本番でうまくいくとは限りません。本番独特の緊張感とプレッシャーの中、いつも通りの結果を制限時間内に出すのは大変です。ですので、いくら正答率が良いからといって、もうその大学に受かったような気分になるのは気が早いというものです。また、これは逆も言えます。いくら正答率が悪い状態が進んでも、1と同じ理由であまり落ち込まず、前向きに続けてください。

3.今から新しい内容に手をつけるべからず

受験直前の今となっては、赤本を繰り返すことと、今まで繰り返してきた問題集や参考書をもう一度見直すことさえ、きちんとやっておけば大丈夫です。ですので、たとえ誰かにすすめられたり、誰かが使っていた問題集が、わかりやすそうで気になったりしたとしても、今から新しい教材には手をつけないことをおすすめします。今から手をつけたところで、中途半端に終わることになりかねませんし、もしその中に、たまたま知らない内容が入っていたら、それだけでもかなりのプレッシャーになり、むしろ逆効果です。何より、それに手をつけたばかりに、今までやってきた内容の総チェックがおろそかになり、それをやっておけば、本番で点数が取れたはずの問題がもしあれば、悔やんでも悔やみきれないと思います。自分なりに、その教材がベストだと思って今まで使ってきたわけですから、そのことに自信を持ち、文字通りその教材と「心中」するつもりで取り組んでください。それに、実際には、これらに冬期講習が加わるのです。


ちなみに、冬期講習のテキストは、おおざっぱに言えば赤本を大学や学部別、または問題の種類別に再編集し、オリジナルも一部含めた上で、出題傾向別に対策できるように作られています。ですので、内容的には特に新しいわけではなく、赤本に、受験のプロである講師の授業という「付加価値」が加わったものが講習だと考えていただければと思います。ということは、受講しても、予習を含めて新しい内容に手をつけたことにはなりませんし、それどころか、受講後、その内容を踏まえて効率よく赤本を進められますから、むしろ時間の節約です。ですので、申込済の講座はぜひ最後まで出席してください。入試本番までの残り時間を考えてあせるあまり、欠席してその時間で赤本をやったとしても、どのみち後で講習の内容に近いことをやることになるわけですから、欠席なんかしないで、講習を大いに活用することを考えた方がよっぽど効率的だと思います。それに講師も、合格のためなら喜んでいろいろ協力してくれることでしょう。

4.世の中の浮かれモードに流されるべからず

今年はとにかくがまんしましょう。これに流されると、何日かロスをするだけでなく、集中力も衰えます。諸事情により、「どうしてもこの日だけは」という日があれば、その日にやる課題を他の日に分散させ、やるべき内容は減らさないようにしてください。ただ、世の中全体がいわば「浮かれモード」「お祭りムード」になりますから、一番いいのは、予備校の自習室が開いていれば、そこに終日こもって勉強することです。もし開いていない日があれば、今のうちに、その日でも自習できる場所を捜しておいてください。また、外に出ると「目障り」なものに遭遇しますので、自宅と勉強する場所との往復以外には、外出しないことをおすすめします(カゼ予防も兼ねて)。

5.現時点で、浪人(浪人生はもう1浪)することを前提に勉強するべからず

今からもう1年やることを考え始めると、だんだん、「その方がより上を目指せるかも?」と思ってしまうことから、張り合いがなくなり、今年がいわば「消化試合」のような感じになってしまいます。もう1年勉強したからといって、第一志望校に合格する保証はありませんし、今年出来る限りのことをせいいっぱいやって初めて、来年につながるのです。もう1年やるかどうかは、全ての結果が出てから考えても遅くありません。たとえ「もう1年かけてでも○○大」と考えている方でも、なりふり構わず、今年どこかの大学の合格実績をつくる努力をしてください。

6.徹夜同然の勉強をするべからず

ギリギリでもいいから何とか間に合わせようとするあまり、寝る間も惜しんで勉強をする生徒が毎年いますが、たとえそうしたとしても、その結果、日中に睡魔が襲い、集中できないのであれば何にもなりません。ましてや、そのために体調を崩してしまっては本末転倒です。12時には寝る、もっと言えば、「12時になると電気が消されてしまう環境下にいる」くらいの気持ちで取り組むことで、時間内にやるべきことを終わらせようとする方が、結果として学習効率や集中力のアップにつながります。遅い時間まで寝ないで勉強すればいいというものではないことを、常に意識してください。

7.健康管理を怠るべからず

健康管理は最大の受験対策です。今まで勉強してきた成果が出るのは、試験当日に健康であることが大前提です。うがい、手洗いをまめに行い、暴飲暴食をせずに3食必ずとり、夜更かし、うたた寝、湯冷めなどは避けてください。せっかくがんばったのに、こんなことがきっかけで、当日なり直前にかぜをひいては悔やんでも悔やみきれません。また、併せてインフルエンザにも十分注意してください。心配なら予防注射を打っておいた方がいいと思います。

8.決めた受験校のことをいちいち掘り返すべからず

どのタイミングで決めたかは人それぞれだと思いますが、しっかり決めたのであれば、もうあれこれ思い悩まず、勉強に専念してください。もし悩むようであれば、まだ完全には決められていないということです。たとえそうだとしても、勉強時間以外の時間に検討してください。確かに、赤本をやっていて正答率が上がらないと、ついつい心配になり、受験校を変えたくなることもあるかもしれません。でも実際は、受験校は必ずしも自信のあるところばかりを選んではいないはずですから、こうした事態はある程度想定できていたはずです。それでもどうしても行きたかったからこそ、志望校として選んだのだと思いますし、万一のことも考え、滑り止め校もしっかり決めたはずです。それに、センター利用入試との兼ね合いもありますので、どのみちセンター試験後には、最終確認をすることになります。思うところがあれば、その時に決め直してもいいのです。ですので、あらゆる状況を想定し、いろいろ考えた上で受験校を決めた自分に自信を持ち、今は勉強に集中してください。

9.他人と比較するべからず

自分の勉強が思うようにいかないと、周りの人は自分よりも順調だと思ったり、この問題がわからないのは自分くらいだと思ったりしてしまいがちです。でも、そうとは限りません。周りの人は順調に見えるかもしれませんが、実は内心はあせっているかもしれませんし、皆さんがたまたまでも正解した問題が、相手にはわからないことだってあるかもしれません。はっきり言って、この直前期に余裕がある人はいないと思って間違いはありません(いたらむしろその人は危険です)。自分だけがうまくいかないなどと思わず、あくまで自分のペースを維持することを最優先させてください

10.親子喧嘩やきょうだい喧嘩をするべからず

取っ組み合いの喧嘩は論外ですが、ここで言う「喧嘩」というのはもちろん口喧嘩のことです。そして、これはメンタル面に影響する問題です。想像していただければわかると思いますが、話しているうちに、売り言葉に買い言葉で言い争いになったとして、いい気分になるでしょうか? おそらく後味が悪い上、その後しばらくは興奮冷めやらぬ状態が続き、勉強に集中できないと思います。これは誰が相手でも同じです。こんなことが常に起きようものなら、合格できるところにすら合格できません。ただ、受験生は皆、今は時期も時期だけにピリピリしていると思いますが、相手(特にご家族の方)にしてみても、受験生ということもあり、普段からそれこそ腫れ物にでもさわるかのような、気を遣った対応をしてきており、それが何かのきっかけで爆発すると、ついつい言い方も激しくなってしまいます。どちらにとってもメリットはありませんので、口喧嘩は避けてください。たとえ相手の言動にイラっときたとしても、動じず受け流す、聞き流すだけの精神力を養ってください。相手は決してわざとではありませんし、それだけの精神力が付けば、合格に向けて、不安やプレッシャーをはねのけるだけの精神力も培われていることと思います。

いかがでしたでしょうか。これらをふまえ、ベストに近い状態で受験を迎えられるようにしてください。

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